叙事詩のひろば
過保護のアマリリス
散文詩 《過保護のアマリリス》
鉢植えの
夏野菜を引き抜き
花用の土を入れて
日陰に居たアマリリスを
陽の当たる庭へ引っ越した
アマリリスの声が聞こえた
ありがとうございます
とか
ほんとうは聞こえないが
そんなふうに
アマリリスが言ったように
気がした
いまは晩秋だから
はだ寒くなるので・・・
あなたには
栄養をたくさん
上げましょうね
そして春には
大きな花を
咲かせてくださいねと
無言でたのんだ
心配なのは
過保護過ぎること・・・
枯れたりするので
くれぐれも
気をつけたいと思う
散文詩家 欄 干
タンパク質
叙事詩 ーー《タンパク質》ーー
色のない
白んできた空に
けたたましく囀りながら
やってきた百舌鳥とシギ
わがまますずめは
寒くなって
どこかへ行った
野鳥は朝から
庭の芝で虫捜し
ちょんちょん
止まり木
てんてん
枯れ枝あそび
庭の木々は
あちこち低く
見通し良くて
ありがとうなどは
聞いたことないよ
気にしない
こちらこそ
来てくれてありがとう
甘い柿もすきだけど
欲しいのは
タンパク質だよね
誰だい
わたしの食い扶持の虫
摂ったのは・・・
叙事詩家 萬 天
叙事詩 《テレビ壊れた》
こんにちは
ようこそ叙事詩の窓へ
今日も曇りですね?
パッと晴れないのでしょうか?
《テレビ壊れた》
テレビ壊れた
買い換えた
息子に連絡した
息子が言った
「買わなくてもいいのに」
今更って いう意味で
テレビみれないなら
「孫がこまるよ」
て言ったら
「それはそうや」
もしそうなったら
あばれるのだとか・・・
ちょっと
それ
えこひいきじゃないかな
老人は良くなくて
孫はいいのかい?
叙事詩家 萬天
短歌 なごり秋
ようこそ 叙事詩の広場へ
まったく自信はないのですが
短歌のつもりです
なごり雪にちなみ
――《なごり秋》ーー
完熟し
手届く枝に
実る柿
日毎減るゆく
なごり秋かな
叙事詩家 萬天
秋のなごり実
おはようございます。
《叙事詩》の広場です。( 前 散文詩の窓 )
ペンネーム「欄干」 改め
叙事詩家 《萬天》 (よろずてん 通称は”まんてん”でもかまいません) です。
《秋のなごり実》
柿の実が熟して
木の枝の手の届く下の方の実が
少しづつなくなってくる?
そうです
手が届く実は先になくなるのです
一個減り
二個減り
そして柿の木のてっぺんに
実が一つ
秋のなごり実は
雅の古寺の
庇に残した忘れ傘・・・
―――叙事詩家 《萬天》 ―――