日記
哲学の道
菰野哲学の道
「哲学の道」って聞いたことあられますか?
そうです。京都の哲学の道です。ネット情報によると銀閣寺と若王子神社の間、白川疎水沿いにある約二キロメートルの散歩道だそうです。民家や神社仏閣が併存し、しかも出店もあったりして、今や世界的に人気の散歩道です。昼間の雑踏は別として、早朝散歩などはさぞかしいい気持ちかもしれません。
その昔、京都がまだ古都だったりしていたころ、この哲学の道端で初老のカップル(もしかしてもっとお若いカップルだったりししたかもしれません・・・?)が自作の絵や手作りの工芸品を並べ、すでに陽が落ちて人通りの少なくなった道端で、特に話すこともなかったのか静かに座ってお売りになってみえた光景がいまだに思い出されます。
あのお二人はご夫婦にはみませんでしたが、一体どんな関係だったのでしょう? やがて陽が落ちてくるのがとても気になっていた記憶が残っています。もしかして哲学の友だったのかもしれませんね―――。
ところで菰野散歩道も、京都の哲学の道に劣りません。
ひいき目かもしれませんが、自然な環境と眺望から鑑みてむしろ優れていると思います。
京都は白川疎水は疎水ですが、三滝川は二級河川で上流に清水が流れています。(季節によっては時々枯れますが・・・。)残念ながら屋台はなく、川幅は大きく、鬱そうと生える笹とススキが茂り、道端には季節の花が咲き誇り、野鳥が散歩する人を美しい声で迎えてくれます。
菰野散歩道の三滝川にはウグイもいます。
野鳥カワセミが、青く光る美しい羽根を広げながら餌を求めて飛び交います。
散歩道の道幅は狭く、下校時に自転車に乗って帰る子供たちと顔を合わせると、突然元気な声で「こんにちはー!」と挨拶され、あわてて「こんにちは」と返さなければいけません。散歩する時には油断せず挨拶をすぐに返す心構えが必要です。うまく掛け合えたらとてもうれしい気持ちになったりもします。
哲学の道は京都だけにあるのではありません。
ドイツ最古の大学の町ハイデルベルグにはネッカー川沿いの山腹に哲学の道があります。ネッカー川の川沿いは狭い小道が設けてあり歩くこともできますが、未整備なので散歩には向いていません。
今は食材としての需要がなくなったのか、フランツ・シューベルト(1797‐11828)の歌にもある「鱒」(1817年作曲)が泳いでいました。
さて、ここで真夏の真昼でも歩ける菰野散歩道を案内いたしましょう。
第一の森のトンネルを抜けて、
村上春樹さんの作品「ノルウェーの森」の舞台のような野性的存在の菰野庁舎を眺めつつ、
桑の木の下の影を抜けて、
村外れのお地蔵さんのような石標と、錆びたて赤くなり字が見えくなった「とまれ」の字を右手に見ながら、
第二の森のトンネルをくぐり、
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南風の通りぬける石段にある狐の風穴にたたずみ、再度じっと雄大な存在の菰野庁舎を眺め、 再び森のトンネルを抜けて帰路に立ちます。
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木の葉の影を映し、風が通りぬける小道で、 少し、少しだけこの木陰で休ませていただきたいのです。
今日の散歩道でした。
最後まで閲覧していただきありがとうございました。
雑文家 盆 拾(ぼんじゅう)