叙事詩のひろば
クロテットクリーム
叙事詩
—— 《 クロテットクリーム 》
いろいろ作ってみた
手造りスコーンに
自家製の
いつもより甘くした
実のかたまりのある
イチゴジャムをスコーンにのせて
その上にクロテットクリームを
こぼれるくらい重ね
お気にいりの
ちょっと濃い目の紅茶に
濃厚ミルクを入れて
どうすると思いますか?
そう
ちょっと甘くしたミルク紅茶で
クロテットスコーンを一人でたべる・・・
自分だけの
マイ紅茶タイムなんて
もったいないよね
モザのサードスペースで・・・
いかがでしょう―――?
叙事詩家 萬天
クリスマスとハグ
ーーー《 叙事詩 》ーーー
クリスマスとハグ
けさ 玄関ドアに
クリスマスリングの飾りを掛けていたら
前の道路を歩いてみえたご婦人が
振り返ってみていた
昔から仏教だけど
クリスマスって
いいなあ
《 そのあとのことの出来事・・・
朝の
NHKを観ていたら
よく似た年齢の御夫婦が出演してみえた
ふっくらとしたやや丸顔の
優しそうな奥様と
オシャレな御主人を何気なく
観ていたところ・・・
テロップに
毎日ハグをするのだとか
ハグって知らない訳ではないけど
ふつうしないなと思いながら
話をじっと聞いていたら
仲良い夫婦のコツはと
Sアナウンサーに聞かれて
応えられたのは
御主人が先に謝るのだとか・・・
そんなことはマネできない
と思いながら
そのあとで
何かおいしいもの食べに行かないかい?
と誘い
OKが出たらだいたい
仲直りできるのだとかーーー
それくらいなら出来そうだと
おもった
叙事詩家 萬天
女性の手
ようこそ叙事詩の広場へ
ーーーリニュアルーーー
街を歩いてたら
リニュアルした
ハンバーグ屋さんがあった
すっかりきれいになっていたので
一緒に来ていた連れに
その様子を伝えたく
店のほうを向いたまま
隣人の手首をつかんだら
知らない女性の手だった
手をつながれた老女はいつまでも
笑いが止まらなかった
叙事詩家 萬天
孫ミモザ
叙事詩
ーーー 孫ミモザ ーーー
ミモザの孫が大きくなった
背中が曲がっていたので
棒で支えて
背筋を伸ばした
すっかり大きくなったように見えた
枯れた先代のミモザが
喜んで言った
孫のミモザはなにぶん
身体はつよくないので
よろしく頼みますと
叙事詩家 萬天
がんばれ玉ねぎ
ようこそ叙事詩の広場へ
《 がんばれ野菜 》
玉ねぎと
エンドウ豆の種を植えた
今年の春のジャガイモの子孫が
この秋に大きくなった
よく頑張ったなといって
ごほうびに
肥料をやった
なんだか青々として
背が伸びたみたい
気にしないでいいよ
実がならなくても
玉ねぎ植えた
しばらく土に倒れて
だめかと思っていたら
背筋がピンとのびた
やるじゃん きみ
水などやって
応援することにした
がんばれ玉ねぎ
がんばれ野菜
そして いまさら
がんばってはいけません
じいじ
叙事詩家 萬天