散文詩の窓
2025-10-10 07:13:00
車輪の下
おはようございます。
ようこそ散文詩の広場へ
先日≪車輪の下≫ヘルマン・ヘッセ(1877‐1962ドイツ抒情詩人・小説家)にて父・ヨーゼフ・ギーベンラートの人格について紹介しました。
今日はヘッセはその物語の主人公、息子について丁寧にその人格について述べています。
≪ハンス・ギーべンベラートの天分について≫
この少年(ヨーゼフ息子)が鋭敏な頭の持ち主で・・・
天分のある子供にとっては
両親が金持ちでない限り
ただ一つの狭い道があるきりだった・・・
神学校にはいり
それから牧師か教師になる・・・
過度の勉強にやせた少年たちが
官費でもって古典語学中心の学問を修めて・・・
一生の行路の・・・
国家から受けた恩恵を弁済していく
ハンス・ギーベンラートは
この小さい町のから
いたいたしい競争に送られるはずの
唯一の候補だった
名誉は大きかったが
けっして無償で得られはしなかった
このあとその具体的な厳しい現実が詳しく紹介されています。
現代社会の縮図にも通じるところもあるのではないでしょうか?
この物語には
純粋で美しくかなしい子供の姿が
何度も登場します。
そして物語のいたる場面に、
美しい抒情詩が歌われています。
今後、
その詩をときどき、
アップしたいと思っています。
散文詩家 欄 干