日記
2025-03-30 23:13:00
観る絵画から想像する絵画
観る絵画から想像する絵画
これは以前アップしたことのある藤田嗣治画伯の「カフェ?」のポストカードです。
手元を拡大しました。ペンとインク壜と紙と汚れた吸取り紙から想像します。彼女はラブレターを書いていた? 紙がインクで汚れているので何度も書き直しながら、肩肘を付き物思いにふける?
彼女の後ろに座る初老の紳士が外を眺めている。帽子はモダンタイプのシルクハット。外に見える道路差し向かいの壁に書いてある看板の文字を調べると「女性専科?」のカフェのようです。彼は恐らくそこにやってくる女性を眺めているのでしょう? となるとこの場所はパリのモンマルトルですね? モンマルトルには遊女や踊り子たちのクラブ「ムーランルージュ」赤い風車がありました。そこは当時の芸術家たちのたまり場でした。多分女性専科のカフェは、職業女性の集まるカフェだったのではないでしょうか? この時代の絵画を見ると、帽子はむしろカンカン帽子(つばの短い丸いつばの帽子)が流行っていたようなので、理由はともかくとして、紳士のシルクハットはこだわりだった? あるいは威厳を醸し出したかったのかもしれません。
観る絵画から想像する絵画、正解と錯誤の想像もあっても良いような気がいたします。
著 星野萬天