日記

2025-05-02 10:14:00

濡れスズメ

濡れスズメ

江戸末期、月形半平太さんが彼女と散策中?か何かで、一緒に歩いていたら今日の空のように空が曇っていたのか、突然雨が降ってきて、その時彼女がかけた言葉が「月さま、」、その時一緒に歩いていた彼の名は、月形さんだったのでそう呼び、「雨が・・・」といって傘を差しだしたのかさしたのか、その時の雨が「春雨」だったという戯曲のセリフを思い出しながら、モザの庭に降り落ちる霧のような春先の小雨を見ながら幕末の想像にふけるのでした。どんよりとした灰色の空から降ってくる雨音のしない春雨の中、十五年前に植えた、もはや老木となった庭木のネズミモチ(この木をいろいろな方々が卯の花ではないかとか聞かれたりしますが本当の名前は分かりません)の新芽が柔らかいのか、スズメが啄(ついば)に来るのです。丁度朝食を食べる時か、食べている最中か、はたまた食べ終わった後さえも、窓際から見えるその一羽の雀は、小雨に濡れながら餌を食んでいました。見た目は可哀そうな気もします。しかし本当のところスズメの気持は分かりません。「いえ、わたし、しあわせです」、とかいったりするのでは? 余計なお世話ですがここでスズの気持ちを代弁すれば、雨に濡れては身体に悪いとか、こちらにおいしいものがあるとか言って、かまわないで欲しいとか言っているのかもしれません。かまってほしい時にはかまわず、かまって欲しくない時にはかまってやりたいとかいう日常生活的な場面は普段からよくあるように気もします。

看板.jpg

それにしても、今日の朝の濡れスズメさん、いつも一緒だったスズメはどうされたんでしょう? 一人(羽)で朝食とは、なんだか見ていて寂しいです。餌をあげたいのですが、たぶんたとえそうしたとしてもこれ以上仲良くはなれないと思うので、何もいたしません。そっとしておきますね。

それではお元気でーー。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

著 星野 萬天